新潟県中頚城湖沼群の絶滅が危惧される貴重な植物   志賀 隆



 新潟県には、海岸沿いの低地に潟湖、砂丘湖が多くみられる。中頚城地方には、「頚城湖沼群」とよばれている湖沼があり、御手洗池、坂田池、長峰池、朝日池、鵜ノ池は新潟市の佐潟、鳥屋野潟、豊栄市の福島潟と同様に新潟県を代表する湖沼である。  頚城湖沼群は潟町砂丘の骨格を成す古砂丘の地形によって湖岸が決められており、特に朝日池、鵜ノ池は複雑な湖岸形状をしている。そのため、多様な環境が形成され、多くの貴重な水辺の植物を育んでいる。  近年、開発や護岸、生活廃水、農薬の流入による水辺環境の悪化のため、多くの植物が絶滅を危惧されている。この湖沼群においても、周囲の開発や廃水の流入により、環境汚染が進んでいる。そこで、この地域のこれからの自然保護の資料とするためにも、貴重種を紹介したい。取り上げた貴重種は環境省発行のレッドデータブック(2000)に従った。
 今後、朝日池から、蜘ケ池まで含めた大規模な都市公園が造成される予定であり、これらの貴重な植物の消失が心配される。
 頚城湖沼群は周囲の砂丘からの湧水によって涵養されているため、湖沼群全体の自然を守るためには、周囲の砂丘地を含めた環境保全が特に必要である。現在、砂丘の林には、キンラン(絶滅危惧種II類)、コケイランなども生育し、非常に良い自然状態が保たれている。
 地域住民の話を聞くと、水辺の植物の減少に対して関心を持っている一方で、砂丘地の経済的価値の無いスギ林を売却できるため、公園造成に賛成する意見も多い。
 地域の自然を理解し、次の世代へと守り伝えていくことが、私たちの責務だろう。豊かな自然が残る頚城湖沼群をどうにかして保全していくことができないものだろうか。

写真2.ミズニラ(2000.11.3)
写真1.クロホシクサ(2000.11.3) 写真3.ノウルシ(2000.4.30)

写真4.ガガブタ(2000.8.12)
写真6.カキツバタ(2000.5.12) 写真5.チョウジソウ(2000.5.18)


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